●04'アストン・マーティン V12 ヴァンキッシュ

最終更新日2005/04/14
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第二弾はアストン・マーティンのフラッグシップ、V12ヴァンキッシュです。今までのアストンに対するイメージを一変させ、コンチネンタルGTと同様に良い意味で今までの車作りを打破した代表例と言えます。日本ではある意味一部の人々にしか受け入れられなかったメーカーだけに、このヴァンキッシュが作り出したアストンワールドは今や超一級品のステイタスとなっています。一気にメジャーへのし上がった裏側に、このヴァンキッシュを開発したのはフォードとジャガーのエンジニアによるもので、至るところにジャガーとの共通パーツが見られます。DB7やヴァンテージの様に古典的な英国車の走りとは一線を画す作りで、伝統のフロントグリルを構えるボディ・シャーシはアルミニウムとカーボンコンポジットを巧みに使い分け軽量化と強靭さを両立しています。その流麗なボディの奥に潜むエンジンは450馬力を誇る新開発オールアロイ製6リッターV12ユニット。このマテリアルがフォードのエンジニアたちの手作業によって丁寧に組み上げられて行きます。これも全て巨大メーカーのバックボーン無くしては有り得なかった華麗なる復権と言えるでしょう。
気になる乗り味は、今や世界標準となった感のあるセミATを搭載し、他のセミATなどと比べるとクラッチの接続フィーリングはマイルドにセッティングされており、車の性格をよく考えた上での選択だということがよくわかります。フラッグシップの名に恥じぬ為に搭載されたV12エンジンは世界中のセレブが今まで耳にした事のない独特のサウンドを有し、そのエグゾーストはとても甲高く、けれども決してうるさい印象はなくV12ミュージックと呼ぶにふさわしい上品なものに仕上がっています。インテリアはまるで中世ヨーロッパの高級家具のような佇まいで、きっと誰しもが腰を降ろしてスタートスイッチを押した瞬間にこの車の価値が何なのかが解るはずです。
乗るものに最上級の優越感を与え、自動車を所有する歓びを約束してくれますが、それだけに車が所有する者を選ぶほどのスーパーセレブな車と言えるでしょう。マイバッハ同様に金額の問題ではなく本当の意味で“成功者”が手にすべき逸品なのです。