こんにちは、オートスポーツ窪田です。
先日ふとピットを覗いたところ、964ターボがリフトアップされており、
何気なくブレーキ周りを見てみると、なんとキャリパーがラジアルマウントされていて驚きました!
(お恥ずかしながら今まで知りませんでした)
調べてみたところ、ラジアルマウントは1992年に登場した928GTSで初採用され、
その後1993年には964ターボや964RSにも採用されていたようです。
また、ブレーキ冷却のための導風板もしっかり装着されており、ブレーキ性能に対するポルシェの本気度が伝わってきました。
※ラジアルマウント方式は、キャリパーの取付剛性を高めることで、
制動時のたわみを抑え、ペダルフィールの向上やパッド摩耗の均一化に貢献します。
ちなみに、国産車でラジアルマウントキャリパーが初めて採用されたのは、
2007年に発売された日産R35 GT-Rだったと記憶しています。
そう考えると十数年も早く導入していたとは、ポルシェのエンジニアリングのその先見性と技術力には改めて驚かされます。
私自身、趣味でサーキット走行をしていた経験がありますが、国産車ではパッドやローターを強化しても、フェードやベーパーロックに悩まされることが少なくありませんでした。
その点、ポルシェのように大型のキャリパーや冷却構造がしっかりしている車両であれば、安心して走行に集中できると感じます。
さらに近年では、PCCB(Porsche Ceramic Composite Brake)のような高性能ブレーキも選べるようになり、
「止まる」ことに対する技術の進化を強く実感します。
やはりポルシェは、細部に至るまで走りを考え抜かれたクルマだと改めて感心しました。