こんにちは、オートスポーツ窪田です。
ポルシェには多彩なオープンモデルが存在しますが、「カブリオレ」「スパイダー」「コンバーチブル」など、似たようで少しずつ違う呼び方があるのをご存じでしょうか?
今回は、自分自身の勉強も兼ねて、それぞれの違いについて調べてみました。
「カブリオレ」
元々はフランス語で、18世紀の「馬車」が語源です。
ヨーロッパではオープンカー全般を「カブリオレ」と呼ぶことが多く、特にクーペをベースにしたソフトトップのオープンカーを指す場合が多いです。
「コンバーチブル」
カブリオレとの違いは、カブリオレがフランス車やドイツ車であるのに対し、コンバーチブルは英国車や米国車であることです。
「ロードスター」
2人乗りでルーフや側面のガラスがないオープンカーを指します。ただし、特別モデルや走行性能が高いモデルの車種名に「ロードスター」を名付けることも多く、中にはルーフのある車種もあります。
「スパイダー」
こちらはイタリア語(またはドイツ語由来)で、元々は軽量な2シーターのオープンカーを指します。
スポーツ性を重視し、軽量な作りが特徴的。幌や開閉機構も簡素な場合が多く、走りのために割り切った設計がされています。
「タルガトップ」
タルガトップは取り外し式のルーフを持ち、Bピラーとリアウィンドウは固定されているのが特徴です。
完全なオープンではなく、クーペとオープンの中間的な構造。
強度を保ちつつ、開放感も楽しめるデザインです。
1966年から1970年まで、イタリアのタルガ・フローリオというレースで5年連続優勝を飾ったポルシェが、「ポルシェ 911」のセミオープン仕様車に「タルガ」と名付けたことから、この形のオープンカーを全般的に「タルガトップ」と呼ぶようになりました。なお、ポルシェが「タルガ」を商標登録しているため、ポルシェ以外のメーカーでは車種名に「タルガトップ」の呼称は使用していません。
「スピードスター」
スピードスターは超ローウインドシールドと簡素なソフトトップ、そして軽量化されたボディが特徴の、最もスパルタンなオープンスポーツカーです。
ルーフは「非常用」に近く、雨が降ったら“しのぐ程度”。その潔さが魅力とも言えます。
まとめ:各オープンモデルの違い
種類 | 構造 | 開放感 | 特徴 | ポルシェ例 |
---|---|---|---|---|
カブリオレ | ソフトトップ(電動が主流) | ◎ | クーペベース、実用性も高い | 911 Cabriolet、718 Boxster |
スパイダー | 軽量ソフトトップ、簡易構造 | ◎ | スポーツ志向、軽量 | 718 Spyder |
コンバーチブル | 全般的な呼び名(英語圏) | ◎ | 開閉式屋根を持つ車全般 | 一般用語 |
タルガトップ | ルーフ着脱式+リア固定 | ◯ | ロールバーあり、安全性と個性 | 911 Targa |
スピードスター | 超ローウインド+簡易幌またはカバー | ◎(雨天×) | スパルタン、限定車 | 356 Speedster、911 Speedster |
少々長くなってしまいましたが、参考になれば幸いです。